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佐賀新聞の論壇に廉宗淳のコラムが掲載されました
 
2009-12-17
すべてが私の責任です!
最近、テレビや新聞には、何一つ、嬉しい課題が無いような気がする。この頃は、民主党政権になり、いわゆる無駄といわれている公共工事の中止や、官僚の天下り問題、事業仕分けの話題などが紙面に埋め尽くしている。
他方、経済状況を見ていると、世界経済は低迷を続けており、今年の税収が予想をはるかに下回り、38兆円までに落ち込むとの発表や、今の日本は緩やかなデフレー傾向にあるとの政府関係者の発表もあり、経済状況の悪化も肌で感じるようになりつつある。 特に地方の景気低迷はいうこともないところである。
一方、都市も地方も、実に豊かであった、この国の経済をここまで脆弱にさせたのは、誰の責任なのか? しかし、とこからも私の責任です!と叫んでいる人は、見たことも聞いたこともない。
私は1997年ころ、山一証券が破たんした時にテレビの前で、涙を流しながら、すべてが私の責任であり、わが社の社員は罪が無いです!叫んでいた山一証券の幹部の姿が忘れられない。あのインタービューを見た、韓国人の殆どの人は潔く責任を背負っている姿に、感動さえ、覚えていたに違いない。
あのころ、韓国も経済危機に落ちて、国が倒産をする寸前まで至り、韓国政府は世界通貨基金(IMF)からお金を借りて、やっと経済危機から逃れることができた事件は記憶に新しい。
当時、韓国人は皆が、国の倒産という事態が国民の生活にどのような影響を与えるのか、痛切な思いで、実感したのである。その時は誰の責任云々する余裕もなく、目の前で展開される悲惨な状況に鬱憤を飲んでいた。数多い会社や銀行などが一カ月の間に、一気に倒産に追い込まれ、道端にあふれていた。昨年の暮れの年越村の話は、その時に比べれば、比較にならないくらいの状況であった。
その時に、韓国では全国民国債返済運動が起き、国民の皆さんが自分たちの金など出し合い、それらを溶かして、世界市場に売り出し、30億ドルくらいの現金を作り、国債を返した事件があった。その時私と家内、そしてお母さんまでもが結婚指輪やネクレスなどを国に出した。もちろん、誰かから強制されたわけではなかった。国民すべてが自発的に、自分達の大事な資産を出したのである。その際の悲しみや苦しみは言うまでもない。 なぜ、誠実に国民としての義務を全うしながら暮らしていただけなのに、確かに、あの時にの経済危機は、無責任に国債発行を乱発して、政府や大手企業の不実経営がもたらした危機なのに、普通の国民が犠牲をしなければならないのか?悔しかった。2度とこのような屈辱的な事件を繰り返さないために、何をするべきなのか、真摯に考える機会になった。
それから12年が過ぎた今、韓国の経済が安定だとは言えないが、経済危機当時に外貨は30億ドルしかなかった韓国は、外貨保有額が4000億ドルを超えている。
今、韓国の事例を取り上げるのは韓国が素晴らしかったとかの自慢話をするために、この話を持ち出すのではなく、他山之石との言葉のように、今の日本に照らし合わせて考えれば何かのヒントがあろうかと思うからである。山一証券の取締役が泣きながら記者会見をしていたあの日本に比べて、今のところ、ここまで深刻な経済危機や社会の諸問題について誰も、責任を取るのではなく無く、相手に責任を転嫁するために声を荒げている現実が情けないと感じるからである。これでは日本再生の道は遠くなるだけではないか?
すべての人が「すべてが私の責任である!」と叫んで、自分から何かを反省し、小さいことから一つ一つ努力を重ねば、その時日本再生の道が開けるのではないかと呟いてみる。